賞金ランクトップの鈴木愛(25=セールスフォース)が、終盤の3つのボギーで失速した。一時は3アンダーまで伸ばしたが、4バーディー、4ボギーのイーブンパー72。イーブンで逆転賞金女王を目指す渋野に2打差をつけられた。17年以来2度目の賞金女王へ、残り3日間で巻き返す。

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順調にスコアを伸ばしてきた鈴木が、15番でつまずいた。帯同キャディーの指示通り左に打ち出したボールは、風に流されコース左の林へ。大きな木でピン筋がふさがれ、ボギー。「あそこのティーショットで風を間違えて。私のミスじゃないだけに腹立ちましたけど」と、その後流れを失い貯金を吐き出した。

鈴木はキャディーと分業制でプレーする。「私は風が読めないので、風は全部まかせています」と信頼を寄せるだけに、わずかなミスが動揺につながった。ホールアウト後は、2人で練習し、気持ちを切り替えた。

17年以来2度目の賞金女王を目指し好調をキープしている。11月1~3日開催の樋口久子・三菱電機レディースから3週連続で優勝。4週連続をねらった前週の大王製紙エリエール・レディースは渋野に逆転されたものの2位。賞金ランクトップで、2位申ジエ、3位渋野に約1500万円の差をつけている。

「1位でいる方が気持ち的に余裕がある」と臨んだ最終戦。思わぬつまずきはあったが「調子は全然悪くない」という。優勝して賞金女王という自ら描いたシナリオにわずかな狂いが生じただけだ。「毎日2、3アンダーを課題にしていたので、残り3日、3アンダーずつはいるかな。そこに持って行けるように頑張りたい」と軌道修正した。

プレー中は、スコアボードを見ることなく自分のプレーに集中していた。「正直、優勝しかねらっていないので、他の選手がいくら出そうが、それより上をいけばいい話」とプライドものぞかせた。第1日は出遅れたが、残り3日で女王の真価を発揮する。【桝田朗】