プロ1年生。今までとは違う環境に身を置くことで、いろいろなことを学び、吸収してきた。1年間の集大成。J1参入プレーオフという重要な一戦でスタメンを託された徳島ヴォルティスMF鈴木徳真は、その成長をピッチ上で示し、チームのJ1昇格に貢献しようとしている。
序盤は甲府にボールを保持される展開となった。「ミーティングでもいろいろな守備の話はしていたけど、相手が思った以上に左サイドに寄せてきたり、イレギュラーな部分があって様子を見る形になった」。前線からプレッシングに行くのではなく、ブロックを敷いて相手攻撃をきっちりはね返す。得点を許さずに試合を進めると、前半37分にDFヨルディ・バイスのゴールで先制に成功。同39分に同点に追い付かれながらも、後半2分に甲府MFアラーノが退場して数的優位に立った。
甲府は勝利を収めなければ2回戦に進出できないこともあり、「相手が絶対に取りにいかないといけない状況にプラスして、1人少なくなったことで、僕たちは一つ余裕を持ってプレーできた」。その言葉どおり、その後は徳島が押し込む時間帯が続いた。1-1のまま試合を終えれば次のステージへと駒を進めることができたが、「ボールを持つだけでなく、仕留めたい気持ちが皆あった」と攻撃の手を緩めることはなかった。
勝ち越しゴールを奪えずに1-1のまま試合終了を迎え、「あと1点が必要だと感じた」と勝ち切れなかったことに悔しさを滲ませつつ、「ただ、勝ち上がることが大事だったので、ベストな結果を得られて、すごく良かった」と2回戦進出を決めて安堵の表情を浮かべた。
今季、筑波大から徳島に加入すると、開幕スタメンの座を勝ち取った。「何も考えていなかった。42試合の中の1試合。Jリーグ1年目の1試合目という特別な形ではあったけど、心の中では『ただの1試合』と思って試合に臨んだ」という開幕戦から第4節までスタメンに名を連ねた。しかし、その後は思ったように出場機会をつかめない時期が続く。苦しい期間となるが、「いつか必ずチャンスが巡ってくる」と練習に打ち込むだけでなく、チームメイトのプレーを見て盗めるものは盗んだ。
「同じポジションに岩尾(憲)さんや狩野(健太)さんがいて、一緒にプレーすることで、毎日、発見しかなかった。『こうすればいいんだ』『こうするんだ』というのを、ひたすら勉強した。同じポジションのスペシャリスト、目標とする人が近くにいる中で練習ができているので、毎日毎日、成長できていると感じられた」
「我慢する自分も見つけられたし、学べる自分も見つけられた。良いことばかりではないけど、その分、自分にとって新しい発見が多かった」
ピッチに立てなかった時期も腐らず、新たな自分を発見して成長する男にチャンスが巡ってくる。シーズン終盤の第41節東京V戦にスタメンを託されると、第42節山口戦、そしてプレーオフ1回戦甲府戦と3試合連続で先発出場を果たすことに。「(小西)雄大がケガをしたタイミングだったけど、そこからチャンスをもらえて出させてもらっている。自分の力ではなかったかもしれないけど、転がってきたチャンスをモノにできているのは良かった」。巡ってきたチャンスをしっかりとつかんだ。
プレーオフ2回戦の相手となる山形には、前橋育英高の同期FW坂元達裕が在籍している。今季J2リーグ15試合1得点の鈴木に対し、レギュラーとしてシーズンを過ごした坂元は全42試合に出場して7得点を記録。意識しないわけはない。「同期があれだけ頑張って、あれだけ活躍して、1年目からチャンスをモノにできる。本当に勝負強いと思うし、あいつはそれだけの覚悟を持ってやっていたと思うので、素晴らしい選手だなと改めて思う」と山形の主軸にまで成長した坂元を称賛。そして、対戦するからには「負けたくない」と闘志を燃やしつつ、同期との対戦は「幸せなこと」とも語った。
「山形が他のチームと対戦していたら頑張ってほしいと思うけど、対戦するとなったら、やらせたくない気持ちがある。でも、同期との対戦は、サッカー選手として純粋に嬉しい。高校の仲間、大学の仲間とこういう舞台で対戦できるのは、誰もが嬉しいはずだし、それだけワクワクして燃えると思う」
一週間後、楽しみな対戦が待っているが、そこがゴールではない。限られた時間の中で、「磨くべきところはもっと磨いていく。まだまだ発展途上」と表現する自身を少しでも成長させ、J1昇格をつかみ取ってプロ1年目を締めくくりたいところだ。
(取材・文 折戸岳彦)
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2019-12-01 11:50:00Z
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