【トリノ=佐々木隆史】ショートプログラム(SP)2位発進の羽生結弦(25=ANA)は、3年ぶりの頂点には届かなかった。

194・00点を記録し、合計291・43点で2位。成功すれば現行ルールでは世界初となる、4回転ジャンプ4種5本は、いずれも着氷した。しかし、トリプルアクセルを含むコンビネーションジャンプが、回転不足になって連続ジャンプにならないなど、後半にミスが続いた。

優勝は、SP首位のネーサン・チェン(米国)。ほぼミスのない演技を見せ、フリー224・92点、合計335・30点と、ともに世界最高を更新した。

演技後の羽生は、テレビのインタビューで「(力を)出し切れたとは思います。点数はしょうがないんですけど、最後までけがしなかったのは大きいなと。(2年ぶりに封印を解いた)4回転ルッツにはかなり思い入れありますし、跳びきれたのは大きいと思います。理想の形ではないですけど、ここまで来られて、今できることはやりきれたんじゃないかと思います。

(チェンの世界最高得点を見せつけられて)もう練習したいです、早く。最後のポーズがちゃんとできないくらい疲れましたけど、これが世界最高に向かっていかなくてはいけない課程。もうねえ、楽しむしかないですよ。旧採点の時の記録まで抜かれて、今に見とけって感じです」と話した。