フリーマーケットアプリ大手「メルカリ」の傘下に入った鹿島アントラーズだが、同社小泉文明社長が見守る“御前試合”で勝利を収めることはできなかった。

FW伊藤のゴールで一時リードしたものの、終了間際に浦和レッズFW興梠に同点弾を許し、引き分けに終わった。

ピッチ外のざわつきを、勝利で鎮めることはできなかった。0－0の後半32分、MF土居が深い位置から上げた右クロスを、途中出場のFW伊藤がファーサイドから頭で合わせた。このまま逃げ切るかに思われたが、同43分浦和FW興梠にヘディング弾を許し、引き分け。法大から加入したFW上田のJデビューという明るい話題もあったが、勝ち点3は得られなかった。

前日に発表された大ニュース。一夜明けたこの日、アウェー席を埋め尽くしたサポーターは、至って冷静だった。コールリーダーらは、日刊スポーツの取材に「実際にチームがどうなるか分からない状況では、何も言えない。変わらなければ（クラブに）何も言う気はない」。状況を静観しつつ、推移を見守る構えを示した。一方で「（メルカリ側が）現場に口出しするようなことがあれば、行動を起こすつもり」とも。オーナーによるクラブの“私物化”は気がかりなところだが、サポーターらは小泉社長が会見で主張した「現場非介入」を信じている。

この日ACL組4チームの試合が行われ、J1全18チームの試合数がそろった。鹿島は勝ち点38の3位。悪くない位置に付けているが、本気で優勝を狙うには足りていない。試合後、浦和サポーターからはブーイングが飛んだ一方で、鹿島サポーターは選手が見えなくなるまでチャントを歌い続けた。サポーターたちは“メルカリ効果”でチームがさらに上向くことを祈っている。