WBA世界ミドル級タイトルマッチ(12日、エディオンアリーナ大阪)で王座奪回を目指す同級4位の村田諒太(33=帝拳)が、試合のテーマに「熱くならないこと」を掲げている。そこには対戦相手の王者ロブ・ブラント(28=米国)が、ボクサーとしては類いまれともいえる(?)“いい人”だということが理由にある。いったい、どういうことか。
9日に行われた予備検診で、5月の発表会見以来の対面となったブラントについて村田は「特別な感情はないです」とさらりと語った。
予備検診は海外では行われないため、両者の数値が同条件で計測されるのは今回が初めて。測定された数値で身長は1センチ高い183センチだったのものの、胸囲はブラントが4センチ上回り、リーチも3センチ長かったことにも「数字は測り方次第で5センチぐらい変わる。自分のほうが体もしっかりしてるし、パワーもあると思います」と語った。そこには練習が完璧にこなせて「ここまで最高の出来でこられた」自信があるからだ。
前回昨年10月の対戦前は体調を崩し、スパーリング開始が遅れるアクシデントがあった。そうでなくても疲労や予期せぬケガなどで当初の予定が変更となるのは珍しいことではないが、それもないほどの順調さだ。一方で、今回の試合に向けて村田は「屈辱的な思いをさせられたので、ブッ倒してやりたい」とたびたび話している。米ラスベガスで大差の判定負けを喫して王座を奪われた悔しさをKOで晴らしたいのは当然だが、好調な時にその思いが強すぎると墓穴を掘ることにもなりかねない。
相手のブラントは周囲が「海外のボクサーで、これだけちゃんとしているのも珍しい」というほどの紳士。これが素行不良の選手なら、目に見える振る舞いに対する怒りをそのまま拳に乗せればいいものの、陣営も含めてわがまま放題や敵意むき出しといったこととは真逆の“紳士淑女の集団”とあって、そういうわけにもいかない。
「ブッ倒す」ためには無理やりにでも闘争心を奮い立たせる必要があるが、これまた度が過ぎるとマイナスに作用する可能性が大きい。こうした理由から「気持ちをしっかりコントロールして、熱くならない」ことがカギだというわけだ。
予備検診ではブラントがカメラマンへのサービス精神を発揮し、おどけた表情で村田を後ろからのぞきこむシーンがあった。背後の死角での行為とはいえ、笑い声が上がった雰囲気で、どんなことが起きているかの想像はついたはず。それでも村田は顔色ひとつ変えなかった。熱くならずに平常心を保つ戦いはすでに始まっている。
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https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190710-00000038-tospoweb-fight
2019-07-10 07:37:00Z
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