卓球の全日本選手権女子ダブルスは伊藤美誠(右)/早田ひな組が3連覇を達成【写真:西村尚己/アフロスポーツ】
卓球の全日本選手権が18日、大阪・丸善インテックアリーナ大阪で行われた。女子ダブルス決勝は、伊藤美誠(スターツ)/早田ひな(日本生命)ペアが、芝田沙季(ミキハウス)/大藤沙月(ミキハウスJSC)ペアをゲームカウント3-1で破り、3連覇を達成。混合ダブルスも制している伊藤は、3年連続となる3冠達成にまた1歩近づいた。19日には女子シングルスの準決勝、決勝が行われ、優勝すれば史上初の偉業達成となる。
2年連続で同じ顔ぶれとなった、女子ダブルス決勝。昨年4月の世界卓球(ハンガリー・ブダペスト)で準優勝して以来、約9カ月ぶりにコンビを組んだ伊藤/早田の「みまひな」ペアは、序盤から息のあった攻撃を見せた。第2ゲームでは、プレー中に対戦相手の芝田のラケットが手からすっぽ抜け、伊藤の頭上近くを通過する珍しい場面もあったが、2人の連携は乱れず。最後まで集中力を切らすことなく、3年連続の頂点をつかんだ。
女子シングルスの準決勝では、「みまひな」ペアの直接対決が待ち受ける。東京五輪の代表にも内定している伊藤は、表彰式の後に行われた優勝会見で「お互いに力を出し切りたい」と意気込んだ。
「みまひならしさ」が出せた決勝だった
9カ月ぶりのペアでも連携は問題なし、互いの成長を実感した大会だった【写真:西村尚己/アフロスポーツ】
――まず、この3連覇をそれぞれどのように受け止めているか?
伊藤 初戦からすごく接戦が続きましたが、それをものにできて、特に準決勝・決勝は「去年よりも良かったんじゃないか」というくらいいい試合ができました。半年以上ペアを組んでなかったんですが、個々の力が上がったことも分かっていますし、自分たちらしいプレーができてすごく楽しめました。
早田 昨年同様、本番前になかなか女子ダブルスの練習ができないところからスタートしましたが、私にとっては女子ダブルスが全日本選手権の第1試合目なので、緊張する部分がありました。でも、初戦から伊藤選手に引っ張ってもらうことで、決勝ではいい形で2人とも1点を取ることに集中できたのが3連覇につながったと思います。
――決勝では、具体的にどんなプレーが良かったと思っているか?
伊藤 相手は去年よりもさらに技術が上がっていて、接戦になりましたが、その中でも自分たちが落ち着いてコースを突けたり、私らしい、ひならしいプレーができたと思います。あとは最後まで笑ってプレーできたのも自分たちらしいと感じています。
早田 どちらかというと私が中陣、後陣でのプレーが多くて、伊藤選手が前陣で仕掛けていくという形がみまひなのプレースタイルなんですが、そこが逆になっても点数が取れるようになりました。きょうはラリー展開になることが多かったんですが、相手のコートに入れるだけではなく、コースを突いたり回転をかけるなど、工夫をしてうまく連携することができました。
――19日には、昨年に続いてシングルスでの直接対決が控えている。お互いにこの優勝をどうつなげていきたいか?
伊藤 ダブルスを優勝して、お互いにいい流れになっていると思います。また力を出し切れるようにやっていきたいですし、すごく明日の試合が楽しみです。
早田 ダブルスは3連覇できましたが、明日はシングルスの準備をしっかりして、いいプレーができるようにしたいです。お互いに120%の力が出せるように頑張りたいと思います。
――半年以上ぶりにダブルスを組んで、お互いについて「成長したな」と感じたところは?
伊藤 早田選手はもともと色んなことができる選手でしたが、今まで以上に戦術や技術の幅が広がっていると感じます。また、去年組んでいた時よりも落ち着いてプレーできるようになったと思います。前はどちらかというと気合を入れて声を出すタイプで、私が落ち着いてプレーするタイプでしたが、接戦でもしっかり考えてアドバイスをしてくれるようになり、私自身もすごく考えやすくなりました。
早田 お互いが(相手に)要求していることが、試合の中でできるようになりましたし、そこが強みになっていると思います。伊藤選手は混合ダブルスの試合をたくさんすることで、男子選手の打球も多く受けるようになったので、「打たれても大丈夫」という安心感につながっていると思います。また、後陣でも自分で点数を取ったり、私につなげてくれたりと、力強いプレーが上達しているので、本人も自信を持ってプレーしているんじゃないかなと思います」
明日も自分らしくプレーして、力を出し切れるように
史上初の3年連続三冠へ王手をかけた伊藤(右)、偉業を目指す19日の女子シングルス準決勝では早田との“みまひな”対決だ【写真:西村尚己/アフロスポーツ】
――みまひなでのダブルスはブランクが長かったが、それについて不安はなかったか?
伊藤 全くなかったです。今回は年始に3日間練習をさせてもらって、その時の感覚も良かったですし、「本当に半年ぶりなのか?」と思いました。その間も混合ダブルスはやっていましたが、(使用する)ラバーも距離感も混合とは違います。それでも、お互いに(距離感などの)調整が効くペアになったな、と改めて思いました」
早田 伊藤選手の言った通り、年始に練習した時に「昨日ダブルス組んだっけ?」と思うくらい、最初から嚙み合っていた感覚がありました。以前組んでいた世界選手権の時よりも、どのくらい強くなっているのかがすごく楽しみでした。
――伊藤選手は3年連続の三冠達成について「あまり気にしない」と話していたが、王手をかけた今の心情を改めて聞きたい。
伊藤 自分から優勝を取りにいっているので、何も感じていません。混合ダブルスも女子ダブルスも、自分たちで優勝を取りにいってついてきた結果。「目の前の一戦をやり抜こう」と目標を立てていたので、明日の準決勝も自分らしくプレーして、力を出し切れるようにやっていきたいです。
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2020-01-18 10:51:00Z
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