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J1神戸、天皇杯初優勝 創設25年目初タイトル - 神戸新聞

 サッカーの天皇杯全日本選手権最終日の1日、東京・国立競技場で決勝が行われ、ヴィッセル神戸は鹿島アントラーズを2-0で完封し、初優勝を決めた。神戸はクラブ創設25年目で初のタイトルに輝き、アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)の出場権も獲得。今季限りで引退する元スペイン代表FWビジャの花道を飾った。

 神戸は前半18分、先制に成功。ポドルスキのシュートを相手GKがはじき、オウンゴールで得点した。同38分の追加点は藤本。西の右クロスのこぼれ球を押し込んだ。

 後半は守勢に回ったが、ボランチ山口を中心に組織は崩れず。イニエスタのキープ力で時間をつくるなどして試合を締めた。ベンチ入りしたビジャは後半ロスタイムに登場し、優勝の瞬間をピッチ上で過ごした。

    ◇

 神戸初優勝への旗手は、2018年夏にスペインの名門バルセロナからやって来た元スペイン代表MFイニエスタだった。「すごくポジティブに感じている。自分の最高のバージョンを提供できるように、挑戦するために、ここに来た」。天皇杯決勝のピッチで見せつけたように、クラブが18年から推し進めるポゼッションサッカーを主導した。

 トラップにパス、そしてドリブル。来日直後から、どれを取っても超一流の技巧を披露し、本拠地ノエビアスタジアム神戸(神戸市兵庫区)の観戦チケットは完売が続いた。興行として成功を収める一方、チーム自体は低迷し、18年シーズンを10位で終了。9月には監督交代もあった。

 来日2年目となる今季も、チームは迷走した。ビジャら大型補強を敢行したが、2度の監督交代に、リーグ7連敗。イニエスタも8月の取材に「監督の安定性、システムの安定性、選手・チームの安定性が必要。そこに秘密はない」と提言するほどの事態だった。

 シーズンの深まりとともに、その安定性がチームに生まれた。6月に就任したフィンク監督が指揮を執り続け、システムは3バックが基本形に。夏の移籍で加入したベルギー代表DFフェルマーレン、元日本代表DF酒井らの経験値も大きく、最後はJ1残留争いから抜け出し、8位でリーグ戦を終えた。

 イニエスタも12月のリーグ最終戦前、ポゼッションサッカーを指標に手応えを口にしていた。「自分の感覚として良くなっている。クラブとしてスタイルを成長させるために必要なこと、ポジティブなことをできてきている」。天皇杯を制覇する土壌はできていた。

 イニエスタは神戸との契約を21年シーズンの終了まで残している。日本を代表するビッグクラブにするための挑戦は続いていく。(有島弘記)

 ◎神戸の2019年シーズン

◇2月22日

 C大阪との開幕戦。ワールドカップの優勝経験があるビジャ、イニエスタ、ポドルスキの「VIPトリオ」が初のそろい踏み。

◇4月17日

 昨季途中から指揮したリージョ氏が電撃辞任し、吉田氏が再登板。同日、ポドルスキが主将返上を表明。後日、イニエスタが新主将に就任。

◇5月12日

 鹿島に0-1で敗れ、2003年の延長Vゴール廃止後、クラブワーストに並ぶリーグ6連敗。当時監督の吉田氏は試合後の会見で、三木谷会長の「現場介入」を否定。

◇5月18日

 横浜Mに1-4で敗れ、リーグ7連敗。

◇5月24日

 三木谷会長がクラブハウスを訪れ、選手、スタッフを激励。2日後の26日、湘南を4-1で下し、リーグ戦の連敗から脱出。

◇6月1日

 世界的名将ベンゲル氏への監督就任オファーを巡る報道について、三浦スポーツダイレクターが否定。

◇6月8日

 吉田氏からフィンク氏へのシーズン2度目の監督交代を発表。

◇7月27日

 バルセロナとの国際親善試合当日、バルサOBのベルギー代表フェルマーレンが三木谷会長と入団会見。神戸はこの夏、元日本代表酒井ら守備陣を中心に大型補強を敢行した。

◇11月6日

 古橋が日本代表に初選出。山口も3月以来の代表復帰。

◇11月13日

 ビジャが神戸市内で会見し、今季限りでの現役引退を表明。

◇12月7日

 磐田を4-1で下し、今季初のリーグ3連勝。年間8位でリーグ戦を終える。

◇12月21日

 清水との天皇杯準決勝を3-1で制し、クラブ初の決勝進出。

◇2020年1月1日

 天皇杯を初制覇。クラブ創設25年目の節目に初タイトルを獲得。

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2020-01-01 07:30:00Z
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