元阪神中谷仁監督(39)率いる智弁和歌山が平成センバツ最多となる27勝目を挙げた。雨の智弁和歌山は最強だ。中谷監督は「辯天様(学校が辯天宗の系列)は水の神様だから、雨の時は強いと高嶋先生もよく言っていました」。10年センバツで雨の中、監督として春夏通算勝利単独1位に立った恩師の教えを貫いた。約2時間の中断中は野手陣と「送球はたたきつけろ」と確認。東妻は「雨は打球が見づらいのでどんどんストライクを攻められた」と9回2失点の池田陽をリードした。

中谷監督はもう一つ高嶋流も解禁した。恩師の代名詞でもある「仁王立ち」で雨にぬれながらベンチ前に立った。「スタンドで応援してくれている人たちがぬれているので中に入る気にはなれませんでした。高嶋先生が乗り移った感じです」と冗談交じりに話した。

平成の春夏通算勝利数は大阪桐蔭と並ぶ63勝目。次は昨秋の近畿大会準決勝で5回コールド負けした明石商だ。あと1勝を重ね、平成最強のチームへと駆け上がる。【望月千草】