○大分4―1松山聖陵●(27日・甲子園)
最後の打者を打ち取ると、大分のエース右腕・長尾と捕手・江川は互いのグラブをタッチして喜びを分かち合った。8安打を浴びながらも要所を締め、141球で完投。チームは夏を含めて3回目の出場で、ついに甲子園初勝利をつかんだ。
長尾は緩急と制球力が光った。2点を先制した直後の二回に1死三塁のピンチを迎えたが、松山聖陵・新城を緩い変化球でタイミングを外して二ゴロ、続く市川には直球を外角にきっちりコントロールして左飛に仕留めた。八回に1点こそ許したが、失点はこれだけにとどめた。
長尾は直球でも120キロ台で、打者を圧倒する球威はない。それを補っているのが江川の巧みなリード。2人は小学5年からチームメートで互いを知り尽くすバッテリーだ。長尾の持ち味を生かしつつ、相手の癖や試合展開も見ながら配球を決める江川に、長尾も絶大な信頼を置いている。松尾監督は「(江川のリードは)強気」と評価し、「長尾らしい投球だった。江川と呼吸の合った投球をしてくれた」と笑顔でたたえた。
バッテリーの強い絆で新たな歴史を開いた大分。これで明豊とともに大分勢は2校とも初戦突破を果たした。【新井隆一】
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2019-03-27 05:47:00Z
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