日本相撲協会は28日、東京・両国国技館で開いた理事会に、横綱白鵬(34=宮城野)と師匠の宮城野親方(61=元前頭竹葉山)を呼び、事情聴取を行った。

白鵬は、史上最多を更新する42度目の優勝を果たした春場所千秋楽(24日)の優勝インタビューの最後に、場内のファンに促し、三本締めを行っていた。

この行為に対し、千秋楽翌日の25日に行われた横綱審議委員会(横審)の定例会合でも多くの時間が割かれて論議された。会合後の会見で、横審の矢野弘典委員長(78=産業雇用安定センター会長)は「違和感を覚える人が多かった。優勝した横綱といえども、一力士として、そうゆうことをやれる立場なのかという疑問がある。本場所は神送りの儀式が終わって全てが終わる。(インタビュー後に各種表彰式なども控え)まだ途中なのに、会場が手拍子でいっぱいになりビックリした」と疑問を呈していた。その上で、日本相撲協会に対し「理事会として、どう考えるのか」と対応を求めていた。

理事会では、この白鵬の行為がコンプライアンス規程の「違反行為」の第5条第7項の「土俵上の礼儀、作法を欠くなど、相撲道の伝統と秩序を損なう行為」に抵触するのではないか、との説明があった。白鵬のインタビューは、この第7項にある「土俵上」で行われたものではないが、広義にとらえて問題視されたようだ。処分についてはこの日は決めず、コンプライアンス委員会にゆだね、八角理事長(元横綱北勝海)への答申を待って再度、理事会で決まる運びとなる。

処分は決まらなかったが、師弟ともども「単なるスポーツではない」と説かれ、また「活躍しても単なる数字だけで終わってしまうよ」という声もあったという。理事会に出席した二本相撲協会理事の芝田山広報部長(元横綱大乃国)によると、白鵬は「平成最後の場所ということで、盛り上げようと思って締めた」という趣旨の説明をしたといい、今回の件で謝罪もしたという。

白鵬は17年九州場所でも、優勝インタビュー後にファンを促し万歳三唱をして問題になった。この問題についても横審で話題になり、その後、理事会で宮城野親方と本人が呼ばれ厳重注意されていた。