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イチロー引退会見「死んでもいいという気持ちはこういうこと」一問一答(その4) - 毎日新聞 - 毎日新聞

【アスレチックス-マリナーズ】大歓声に送られながらグラウンドを去るマリナーズのイチロー=東京ドームで2019年3月21日、玉城達郎撮影

 米大リーグ通算3089安打のマリナーズのイチロー外野手(45)=本名・鈴木一朗=が21日、現役引退を発表した。東京都内で行われた記者会見の主な一問一答は、次の通り。

 ――今日は涙もなく、むしろ笑顔が多いように見える。この開幕シリーズが楽しかったということか?

 これも純粋に楽しいということではない。やはり、誰かの思いを背負うということはそれなりに重くて、そうやって一打席一打席立つことは簡単ではない。だから、すごく疲れた。やはり一本ヒットを打ちたかったし。応えたいというのは当然ですよね。僕は感情がないと思っている人はいるみたいだが、ある、以外とある。だから結果を残して最後を迎えられたら一番いいなと思っていたが、それはかなわなかった。それでもあんなに球場に残ってくれて。そうしないですが、死んでもいいという気持ちはこういうことだろうなと。死なないですけど。そういう表現をするのはこういうときだろうなと思った。

 ――最低50歳まで現役と公言していたが、日本のプロ野球に戻ってきてプレーする選択肢はなかったのか?

 なかった。理由はここでは言えない。ただ、最低50歳までと本当に思っていた。それはかなわず、有言不実行の男になってしまったが、その表現をしてこなかったら、ここまでできなかったかなという思いもある。だから、言葉にすること。難しいかもしれないが、言葉にして表現することは、目標に近づく一つの方法ではないかと思っている。

 ――これまで膨大な時間を野球に費やしてきた。これからその時間をどう使っていくか?

 今はわからない。多分、明日もトレーニングはしている。それは変わらない。僕はじっとしていられない。動き回っていないと。ゆっくりしたいとか全然ない。動き回っていると思う。

 ――イチロー選手の生きざまで、ファンの方に伝えられたこと、伝わっていたらうれしいことはあるか?

 生きざまでというのはよくわからないが、生き方と考えるなら、人よりも頑張ることはとてもできない。あくまでもはかりは自分の中にある。自分なりにはかりを使いながら、限界を見ながら、ちょっと超えていくということを繰り返していく。そうすると、いつの日かこんな自分になっているんだという状態になって。少しずつの積み重ねは、それでしか自分を超えていけないと思う。一気に高みに行こうとすると、今の自分の状態とギャップがありすぎて、続けられないと僕は考えているので、地道に進むしかない。進むだけではないですね。後退もしながら、ある時は後退しかしない時期もあると思うので。でも、自分がやると決めたことを信じてやっていく。それは正解とは限らない。間違ったことを続けてしまうこともあるが、そうやって遠回りすることでしか、本当の自分に出会えない。そんな気がしている。自分なりに重ねてきたことが、今日のゲーム後のファンの方の気持ちを見たときに、ひょっとしたらそんなところを見ていただいていたのかなと。そうだとしたらうれしいし、そうでなくてもあれはうれしい。

 ――シンプルな質問です。現役選手を終えたら、監督になったり指導者になったり、あるいは全く違うタレントに……

 あまりシンプルではないですね。

 ――イチロー選手は何になるのか?

 何になるんだろうね。そもそも、カタカナのイチローってどうなるのか? 元イチローになるのかな。どうなんだろう? 元イチローだけど、一朗ですから、書くときにどうするか。何になるか(しばらく考えて)監督は絶対に無理。これは絶対が付く。人望がない。本当に。人望がない、僕は。

 ――そうでもないと思うが。

 いやー無理。それくらいの判断能力は備えている。ただ、プロの世界というよりもアマチュアとプロの壁がどうしても日本の場合は特殊な形で存在しているので、今日をもって、そういうルールはどうなのか。今まではややこしかった。たとえば、極端な話、自分に子どもがいたとして、高校生だったら教えられないというルールですよね。それは変な感じ。今日をもって元イチローになるので、小さな子どもになるのか、中学生、高校生、大学生になるのかわからないが、そこには興味ある。

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https://mainichi.jp/articles/20190322/k00/00m/050/023000c

2019-03-21 17:26:00Z
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