左足から放ったシュートがネットに突き刺さる。ゴールが決まった瞬間、FC東京のMF久保建英は歓喜を爆発させる。それも、そのはずだろう。0-0の試合を動かす貴重な得点であり、自身にとって今季リーグ戦初得点、そしてFC東京のユニフォームを着て奪ったリーグ戦初得点となったのだから――。
スコアレスで試合が進む中、後半39分に久保が大仕事をやってのける。DF太田宏介のCKからゴール前が混戦となり、相手選手がクリアを試みたボールがPA内に転がると、PA外から背番号15が飛び出してきた。
「相手がクリアしたボールが自分のところに来たけど、シュートを打つ以外に選択肢がなかった。コンパクトな振りを意識していた」。迷いなく左足ダイレクトで合わせたボールは勢いよく飛び出すと、「思った以上の軌道だった」(久保)と好守を見せていたGKカミンスキーの手に触れることなくネットに突き刺さり、チームに勝利をもたらす決勝ゴールが生まれた。
今季リーグ戦11試合目で生まれた初ゴールに「思っていたよりも遅くなった」と答え、磐田戦ではゴール以外のプレーに満足がいかない部分もあったようだが、「自分の結果が出ればいいというタイプではないけど、今日くらいは許してもいいかな」と表情を和らげる。「もっと早い時間に自分が何とかできていればというのはあるけど、時間帯はどうあれ決められたし、1-0というのもあるので今日は許してもいいかなと思う」。
肩の荷が降りたかどうかは「次の試合にならないと分からない」と答えつつも、「まず1点取れたし、ノーゴールで終わる可能性はなくなったので良かった」と、ようやく生まれたゴールに素直に喜びを表した。
(取材・文 折戸岳彦)
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2019-05-12 09:00:00Z
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